石川県立金沢錦丘高等学校

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高等学校における「在り方生き方の時間」の考え方

(1) 学習指導要領における在り方生き方教育

 在り方生き方教育は,学習指導要領総則によれば,「人間としての在り方生き方に関する教育を学校の教育活動全体を通じて行うことにより,その充実を図るものとし,各教科に属する科目及び特別活動のそれぞれの特質に応じて適切な指導を行わなければならない」とされている。また総則解説には「人間としての在り方生き方に関する教育は,学校教育活動全体を通じて各教科・科目及び特別活動のそれぞれの特質に応じて実施するものであるが,特に公民科の『現代社会』および『倫理』,特別活動にはそれぞれの目標に『人間としての在り方生き方に関する教育』を掲げており,これらを中核的な指導の場面として重視する必要がある」とされている。


(2) 本校における「在り方生き方の時間」の設定の理由
 現代の子どもたちは自分の在り方生き方を考えることをなおざりにしたり,後回しにしたりなど消極的,受動的な立場を取るものも少なくない,その中で立ち止まって自分の生き方をじっくり考える時間を保証する必要がある。

 学習指導要領には在り方生き方教育を行わなければならないとされており,本校でも公民科,家庭科などでその指導を行っているが,公民科や家庭科は1年間ないし2年間で学習し終える教科であることに対し,在り方生き方教育は3年間通して行わなければいけないと考える。なぜならば,自分の在り方生き方を考えることは比較的短い期間の学習で終えてしまうものではなく,生きている間,常に考えていかなくてはいけない内容であり,日々変化する社会や自分の考え方に対し,常によりよい生き方を考えていかなくてはならないからである。

 昨今の学力低下問題と共に,青少年の規範意識の低下や,夢や目標を抱き人生や在り方を模索する進路意識の希薄化は本校においても例外ではない。また校則遵守は生徒指導に任されたり,進学指導は進路担当者が中心となるなど,各分掌に任されていることが多く,それぞれの教育活動を深化,統合する場面が足りないと感じている。また「総合的な学習の時間」では,いろいろな進路講話や体験活動をするが,事後に自らの生き方へと意図的に結び付けていく場面設定は少ないと感じている。

 したがって,在り方生き方教育を学校の教育活動全体を通じて行うためには各教科,特別活動,総合的な学習の時間で行われている活動を機能的にまとめたり,有機的に結び付けたり,さらにはその他の教育活動全体に効果的に働きかけるような仕組みが必要と思われる。このような理由で本校では「在り方生き方の時間」を特設し,生徒一人一人が心の内面に迫るような授業場面を構築し,自らの生き方や人としての在り方を考え,道徳性の育成を図りながら,よりよい将来を考えていく機会を設けたいと考えた。


(3) 本校における「在り方生き方の時間」
 中学校の「道徳」をうけて,高等学校ではさらに,重点的な指導内容の深化を図り,生徒指導,進路指導を行ううえでの必要な心の教育の充実を図る。そのため「在り方生き方の時間」新設し,集団の中で規範意識を育てたり,自己の向上を図り充実した在り方生き方を追求するなどし,内面に根ざした道徳的実践力を身に付けることができるような教育内容を研究し道徳性の育成を目指したい。

 「在り方生き方の時間」においては,各教科,特別活動および総合的な学習の時間など高校生活全体との密接な関係を図りながら,計画的,発展的な指導によってこれを補充,深化し,道徳的価値及び人間としての生き方についての自覚を深め,道徳的実践力を育成するものとする。ここでいう道徳的実践力とは,正しい規律や倫理観をもつことだけを指すのではなく,自律的に社会生活を送ることができるために必要な,人間としての実践的な力を指しており,体験的な活動や適切な進路選択のための学習などを含めた意味をもつものと考える。

 ホームルームでは,学級や学校生活における諸問題の解決など,学校での人間関係や生活態度等にかかる問題を取り扱うことを主とし,「在り方生き方の時間」では個人および社会の一員としての問題を取り扱うこととする。

 「在り方生き方の時間」は,高等学校1学年,2学年については年15時間程度,3学年については年10時間程度実施する。内容については,道徳的価値の自覚を深めることができるような,課題テーマを10〜15設定し,互いの思いや考えを述べ合い,一人一人が自己を見つめ,振り返るなどの時間をもち,今後のより良い生き方につなげることができるようにしたい。